家裁調査官の論文でプライバシー侵害 家裁の責任を認め,国に損害賠償を命ずる判決〜東京高裁平成30年3月22日判決〜

  • 2018.04.15 Sunday
  • 17:26

JUGEMテーマ:裁判

 

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裁判所の責任を認めた判決というのは極めて珍しい。

 

家裁調査官の論文の題材となった男性が,大阪家裁の監督が不十分だったため,論文の公表によってプライバシーを侵害されたとして,国に500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で,東京高裁は大阪家裁の責任を認めて30万円の支払いを命じた。

 

家裁調査官は,東京家裁で勤務していた当時,未成年だった男性の調査を担当した。

 

大阪家裁に異動後,その経験を論文にまとたものが,精神医学の専門誌に掲載された。  

 

一審の東京地裁判決は請求を棄却したが,東京高裁判決は,「男性の家庭環境を知る者にとっては,特定することが可能」として,プライバシーの侵害を認めた。

 

そして,論文公表時の勤務先だった大阪家裁は,「調査官が論文を添えて届け出た際,公表の取りやめや内容の修正を指導する義務があったのに怠った。」とした(https://www.asahi.com/articles/ASL4C64RNL4CUTIL06G.html 朝日新聞デジタル「家裁調査官の論文でプライバシー侵害 国に賠償命令」2018年4月11日)。

 

家裁の非行少年に対する調査は,非行事実についてはもちろん,生まれてから現在に至る生育歴や家庭環境などを全て明らかにするから,いわば非行少年のプライバシーの集大成である。

 

その内容を公表するに当たっては,プライバシー侵害とならないように匿名化を慎重に行うべきで,学術的に価値のある題材であってもそれは同じと言えるだろう。

 

 

 

 

 
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コメント
とても興味深かかったのでしょうね。
でも、人を対象とした論文なら、よりいっそうプライバシーに配慮すべきですね。
家裁の調査官には守秘義務はないのでしょうか?
調査官が公務員なら、当然に守秘義務はあるでしょうね。そうなら調査の対象者を論文する事を上司や組織は認めてはいけないですね。
  • やんじ
  • 2018/04/16 6:19 AM
やんじさん
コメントありがとうございます。
当然守秘義務があり,ご指摘の点が家裁の責任と認定されたものと思われます。
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