4人死傷事故,逮捕の90歳女性の勾留請求を却下〜横浜地裁平成30年5月30日決定〜

  • 2018.05.31 Thursday
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神奈川県茅ヶ崎市で乗用車が横断歩道に突っ込んで4人が死傷した事故で,自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律違反(過失運転致死傷)容疑で逮捕された運転者の女性(90歳)について,横浜地裁の裁判官は,30日,横浜地検検察官の勾留請求を却下し,女性は釈放された(https://www.asahi.com/articles/ASL5Z6254L5ZULOB01P.html 朝日新聞デジタル「逮捕の90歳釈放「ひざ悪く車便利だった」2018年5月30日)。
被疑者を勾留することができる要件は,
  1. 被告人が定まった住居を有しないとき。  
  2. 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
  3. 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

である。

 

女性は家族と同居しており,年齢からしても1又は3の要件には該当しないだろう。

 

2についても,「会社の人が見送っていると思い,待たせてはいけないと急いで赤信号の交差点に進入した。歩行者が渡り始めたのが見え,慌ててハンドルを切った。」と具体的に自己の過失により被害者を死傷させたことを認める供述をしており,おそらくその見送っていた会社の人などの目撃者がいること,事故後すぐに警察官が現場に臨場して証拠保全をしていることなどから,2の要件にも該当しないと思われる。

 

だから,在宅事件として捜査を行い,起訴するかどうか,起訴するとして求刑をどれだけとするかを捜査すべきであるということになる。

 

上記の3つを勾留の要件としているにも関わらず,検察官が勾留請求をすれば,どんな事件でもほぼフリーパスで勾留状が発付されているのが実務の現状である。

 

一旦勾留されると,10日間,捜査の必要があれば最大で20日間勾留され,起訴後は2か月ごとに勾留の延長が繰り返されて,無罪の推定を受けている被告人であるにもかかわらず,延々と勾留され続け,籠池氏夫妻のように事実を争っているといつまでも保釈も許可されない。

 

日本の司法が,自白を迫る人質司法と呼ばれるゆえんである。

 

今回の横浜地裁裁判官の判断は,法律の条文に従った当然ながら勇気ある判断だと思う。

 

検察に不利益な判断をする裁判官は出世できないと言われているだけに。

 

 

 

 
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